
・月村了衛著 「機龍警察〔完全版〕」 (ハヤカワ文庫JA)
・月村了衛 (原作), フクダイクミ (構成), イナベカズ (漫画) 機龍警察(1) (ヤングマガジンコミックス)
を読んだ。
2010年発表で、2012年に続編の「機龍警察 自爆条項」が日本SF大賞を、2013年にはそのまた続編の「機龍警察 暗黒市場」で吉川英治文学新人賞を受賞したということだが、私は著者も作品も存じあげなかった。
だが私が知らなかっただけで、この「機龍警察」はコミカライズされて2021年に月間ヤングマガジンにも連載されたという事なので、ご存じの方も多かったかもしれない。
✒️✒️✒️
近未来の日本。テロや凶悪犯罪に対処すべく、近接戦闘兵器として「機甲兵装」が開発されている。
そして、その「機甲兵装」の最新かつ大幅な改良版として警視庁が搭乗員の傭兵と共に導入したのが、「龍機兵」(ドラグーン)である。
✒️✒️✒️
「機甲兵装」(警察の隠語で "キモノ" )とは、
==========
人体を模して設計された全高三・五メートル以上に及ぶ二足歩行型軍用有人兵器『機甲兵装』。
キモノとは着物、すなわち〈着用する得物〉から来た警察特有の隠語で、機甲兵装全般を指す。
(月村 了衛. 機龍警察〔完全版〕(ハヤカワ文庫JA) (p.11). 早川書房. Kindle 版より引用)
==========
✒️✒️✒️
「二足歩行型軍用有人兵器」! もうこの表記だけで刺さった人もいるかもしれない 😀
「機甲兵装」・「龍機兵」は、エヴァンゲリオンやガンダムのように巨大ではなく全高は3.5mしかない。
しかし、「機甲兵装」・「龍機兵」もパイロットが中に入って直接操縦し、神経接続されたり、巨大な機関銃やナイフなどで市街地での白兵戦を得意としている。
イメージとしては人間の外観や機能を戦闘用に極端にデフォルメしつつ、大きさは2倍に拡大されたようなモビルスーツやパワードスーツといえるかもしれない。
✒️✒️✒️
著者は、若いころテレビアニメの脚本家などもされていたということで、この小説も明らかに映像が浮かぶ表現が特徴的だ。
十分ビジュアル的な文章なのだが、「機甲兵装」・「龍機兵」のイメージをつかみたくて漫画の方も第1巻を読んでみた。
原作の小説に非常に忠実にコミカライズされている印象だ。
漫画などでイメージが固定化されるのが嫌という方もいると思うが、迫力のある絵で個人的にはかなり良い印象をもった。
✒️✒️✒️
また、著者が文学部出身ということもあるのだろうが、激しいバトルなどの描写がありつつも、格調高く詩的な表現が随所に見うけられる。
さすが「吉川英治文学新人賞」を受賞するだけのことはあるなという印象だ。
(日本SF大賞、吉川英治文学新人賞受賞後には、大藪春彦賞、日本推理作家協会賞、山田風太郎賞等を受賞している。また最近は直木三十五賞の候補にもなっているようだ)
✒️✒️✒️
この「機龍警察」は、第6巻まで出版されていて、現在もまだ続いているらしい。
警察小説としても十分楽しめるだけでなく、エヴァンゲリオンやガンダムなどのファンにも当然強くおすすめしたいと思う。
個人的には、アニメよりも「パシフィック・リム」みたいな実写版を見てみたい気がする 😀
Netflix あたりでやってくれないかな・・・