雑誌 BRUTUS 特集「夏は、SF。」

雑誌 BRUTUS(ブルータス) 2024年7月15日号 No.1011 「夏は、SF。」を読みました。

 

「夏は、SF。」(世界の無限に目覚める400作品)という特集。
表紙はタイムマシンに乗るドラえもんのび太です。😄

BRUTUSは、1980年創刊。
当時東京で学生生活を送っていた私は、ドンピシャの世代ですが、おしゃれな都会の暮らしとは無縁。この雑誌を買ったことはおそらく無いと思います。

今回は、SFの特集なので Amazonのお勧めに出てきて、Kindle Unlimited で読めるということでチェックしてみました。

特集の最初のページには(以下引用)
「ひとたびそこに飛び込めば、世界の見方が変わり新たな心が呼び覚まされる。サイエンスフィクションという物語には、私たちの人生や価値観を変える力があります。
 ・・・中略・・・ 
識者監修のもと、2000年代以降に発表された現代SF重要作やSF的想像力が光る話題作を中心に、その楽しみ方をナビゲート。新たな感覚がたちまち目覚める、ブルータスのSF入門ガイドをお楽しみください。」
とのこと。

ジャンルも小説、映画、ドラマ、ゲーム、漫画、アニメとさまざま。
ドラえもんの表紙からもわかるように、かなりハードルは下げてあり、小難しいSF小説の特集ではありません。

特集の冒頭は、大森望(書評家、SF翻訳家、「三体」「息吹」等翻訳多数)、池澤春菜(声優、SF作家、第20代日本SF作家クラブ会長)、大澤博隆慶應義塾大学准教授、第21代日本SF作家クラブ現会長)のSF識者3氏による座談会です。

ここでは、「天気の子」から「三体」「不適切にもほどがある!」「シン・ゴジラ」「ファイナルファンタジーまであらゆるジャンルでSFが語られています。それも相当読みやすく。

6ページの座談会ですが、最後に「3人が選ぶ、目覚めるSF」としてお勧めの作品が紹介されています。
池澤春菜氏が、先日このブログで紹介したばかりの、テッド・チャンあなたの人生の物語(映画「メッセージ」の原作)や、中短編集「息吹」の中の1篇を紹介してくれていて、うれしいかぎりでした。
座談会の中でも、このブログで紹介した、劉慈欣「三体」や、アンディ・ウィアー「プロジェクト・ヘイル・メアリー」が出てきます。

座談会の次には、藤子・F・不二雄の作品の分析や、ジョブナイルSF(少年・少女が主人公のSF小説)の魅力を解剖したりと、その他にも合計12のテーマで特集は続きます。

その後、「三体」を英訳し、自身もネピュラ賞・ヒューゴー賞世界幻想文学大賞を受賞した中国系アメリカ人作家ケン・リュウ氏による、この特集へのコメントと、本邦初訳短編小説「氷霊」が掲載されています。(やや難解でしたが)

ラストに特別付録として、
「現代SFキーワード辞典」【必修作品294の手引き】が16ページにわたって掲載されています。
「辞典」となっていますが、各項目の説明というよりは、その項目に関連する小説や映画、漫画等「294の必修作品」の紹介がメインと言えるでしょう。
知らない作品も多く参考になります。また、知っている作品の解説では、思わずニヤリとしたり、「そうだったのか!」と気付く事があったりと、楽しく読めました。😁

(その後の、雑誌の後半4割くらいは、第2特集である時計の記事と、レギュラー記事になっています)

 

SFの特集としては、当然表題の通り400作品が紹介されているのだと思います(数えてませんが)。私にとっては、2000年代以降に発表されたものが中心ということもあり、知らない作品が多数(知らない方が多かった)ありました。

SFは小難しくてハードルが高い。理系の人じゃないと楽しめない、などと思っている方々、軽い気分でこの雑誌を手に取ってみては
また、SFファンの方も、当然誰もが何から何まで知っているわけではないでしょうから、意外な発見やヒントがあると思います。
私は、全く知らなかったり題名だけを知っていた、多くの小説や漫画を読みたくなったり、映画を観たくなりました。😃

今なら(2024年7月14日現在)Kindle Unlimited で読むことができます。

お勧めします

電子書籍の場合、カラーの絵のデータなので、モノクロの電子書籍リーダー "Kindle" で読むのは、ほぼ無理です。タブレットやPCが必要になると思います。スマホでは拡大しながらなら何とか読めるかも。私はPCで拡大しながら読みました。)